カレッジリングとは~カレッジリングについて知っておくべきこと

カレッジリングとは、
アメリカの大学や高校の卒業記念に作られる伝統的なリングで、
校章や学科のマーク、卒業年等がデザインに盛り込まれます。
日本では海外のビンテージ物が多く輸入販売されており、
カレッジリングの形状がファッション的に強く支持されています。
最近では国内の多くのブランドが、
既製品のカレッジリングをリリースしています。

 

カレッジリングの成立

カレッジリングが生まれたのは、1835年に米国の陸軍士官学校ウェストポイントで卒業記念に作られたリング(class ring)とされています。
デザインは今のカレッジリングとはかなり違った物だったようです。

詳細は、以下の文章をご参照ください。
カレッジリングはウエストポイントから始まった

1835年当時、ウェストポイントではメンバー間の団結を視覚的に表現するために「クラス全員が同様のデザインのリングを身につけるべきだ」という考えが起きたようです。
生徒たちは卒業のタイミングで、ウェストポイントで過ごした時間の記憶として、卒業後にも残る何かを披露したかったのです。

それが、後に全米のみならず世界に広まったカレッジリング(クラスリング)の誕生でした。

米国では同窓生のアイデンティティの象徴として、カレッジリングが重要なアイテムになっています。
近代のalumni(アルムナイ=同窓生)文化の発展は、カレッジリング文化の高まりと非常に密接なつながりがあるようです。

カレッジリングを身につけることが自己確認行為(act of is identity)となっています。

 

デザインとしてのカレッジリングの由来

 

デザインとしてのカレッジリングの源流は、古代からジュエリー(装身具)の定番とされた印台リング(シグネットリング)です。

 

シグネットリングについては、当サイトの以下のコラムに情報をまとめましたので、興味のある方は御一読くださいませ。

 

 

また、シグネットリングの歴史についてはこちらのサイトがたいへん参考になります。

 

中世になると、ほとんどの貴族がこのシグネットリングに家紋などを彫り込んだものを身につけ、手紙やその他の重要な書類に署名し、最後にこれを封印するために使用しました。

この点から、日本で言えば印鑑に当たるものがシグネットリングでした。

その後14世紀になると、エドワード2世によって「全ての公式な文書はシグネットリングがなければならない」と定めたことにより、シグネットリングは公的に非常に重要な意味を持つことになりました。

中世になると、ほとんどの貴族がこのシグネットリングに家紋などを彫り込んだものを身につけ、手紙やその他の重要な書類に署名し、最後にこれを封印するために使用しました。

その後14世紀になると、エドワード2世によって「全ての公式な文書はシグネットリングがなければならない」と定めたことにより、シグネットリングは公的に非常に重要な意味を持つことになりました。
(出典:シグネットリングの知られざる歴史https://www.countrygentleman.co/post/whatisthe-signetring)

簡単に言えば、リングのトップを平らにしてそこに文字や紋章を彫り、印鑑として使える機能を持たせたのがシグネットリングです。
印面には、金属ではなく軟らかい石を使うことも多くありました。

 

 

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文字や紋章などの彫りが、トップだけではなくサイドにも広がったデザインが現代のカレッジリングだと言えるのではないでしょうか。
トップだけでは彫り込める情報量が限定されますので、サイドのスペースを有効活用するのは自然な進化だと言えます。

19世紀のカレッジリングの画像を見ると、トップとサイドが連続的で境い目がありませんでした。

いわゆるベゼル部分がまだ存在していません。

 

westpoint class ring

USMA Class of 1854

westpoint

USMA Class of 1915

(画像出典: http://digital-library.usma.edu/)

それまでもベゼル部分(トップとサイドの間にある斜めの部分)に模様が入るデザインは時折見られますが、1920年代に入りベゼル部分に文字が刻まれるようになりました。

westpoint class ring

USMA Class of 1922

westpoint class ring

USMA Class of 1922

westpoint class ring

USMA Class of 1922

(画像出典: http://digital-library.usma.edu/)

トップとサイドの非連続的なデザインは、大量生産に伴い鋳造から金型による製法への移行が影響しているのかも知れません。

これは、アールヌーボーからアールデコに移行する時期と重なります。
カレッジリングの需要が高まり、大量生産に対応しつつ当時の流行に乗った直線的なデザインへとカレッジリングが進化しました。

現在のカレッジリングらしい定番デザインに行き着いたのがこの時期です。

 

アール・デコとは、一般にアール・ヌーヴォーの時代に続き、ヨーロッパおよびアメリカ合衆国を中心に1910年代半ばから1930年代にかけて流行、発展した装飾の一傾向。原義は装飾美術。 幾何学図形をモチーフにした記号的表現や、原色による対比表現などの特徴を持つが、その装飾の度合いや様式は多様である。(出典:Wikipedia「アール・デコ」)

 

カレッジリングの名前の由来

 

卒業記念のリングを「カレッジリング」と呼ぶことはとても一般的ですがそれは和製英語で、米国では一般的に「クラスリング」と呼ばれます。

スポーツの優勝時に作るチャンピオンリング(英語表記ではchampionship ring, 団体スポーツの場合はchampions ring)、クラブやグループなど同好の志で仲間の証しとして作る「クラブリング」(club ring)、表彰や褒章を受けた記念の際の「記念リング」(award ring)、企業のマークや周年記念で作る「コーポレートリング」(Coprporate ring)、職人がある程度の地位になった場合に作る「メソニックリング」(free mesonic ring)がある。
(出典:Wikipedia「カレッジリング」https://ja.wikipedia.org/wiki/カレッジリング)

カレッジリングの代表的なデザイン

カレッジリングのデザインとして最もオーソドックスなのは、オーバル(楕円)タイプでしょうか。その他、ラウンド(真円)タイプやスクエア(四角)タイプも人気です。トップに石が入るタイプと、石が入らず校章やマーク・イニシャルなどを入れることもあります。その周りには学校名やポリシーなどを入れることが出来ます。

単品で製作する場合は、ご自身の名前を入れるとアピール度アップです。 両サイドは、卒業年や学部や学科の名称など、お好みでデザインすることができます。

【ラウンドタイプ】

【オーバルタイプ】

【スクエアタイプ】

 

カレッジリングの基本的な構造

 

カレッジリングはさまざまなタイプがありますが、もっともオーソドックスなオーバルタイプで構造を説明したいと思います。

石がセッティングされて周りに文字が入る【トップ】部分。

指の横へ左右に分かれる部分が【サイド】部分。

トップとサイドをつなぐ【ベゼル】部分。

サイドの縁に装飾をする【エッジ】部分。

 

これらのパーツの組み合わせによって、さまざまなデザインが可能となります。

 

トップ部分

 

トップには石を入れることが多いですが、石の代わりにマークなどを入れることもあります。 石部分とその周りの文字部分を合わせて【トップ】と呼びます。

 

カレッジリングの石の形状

 

石の形状にはカットタイプとカボションタイプがあります。

【カボションタイプ】

【カットタイプ】


【カボションタイプ】は表面がドーム型で、石の底部分はフラットです。 【カットタイプ】はダイヤのようなカットになっていて、底部分は尖っています。 通常はそれぞれ個別に型を起こす必要があり、型の値段が倍になることが多いですが、当店では両タイプを混ぜて注文されても、若干の料金アップで対応可能です。

 

カレッジリングの石の色

 

グループで作る場合は、石を変えたりするのも良いですね。 個々の誕生石やラッキーカラーで色を選ぶことが一般的でしょうか。 納品時に全員のリングを並べて、リングの記念撮影をするのも楽しそうです。 グループ内でさまざまな色をセレクトした方が映えますね。

 

トップに石以外のデザイン

 

トップには石が入るのが一般的ですが、石ではなくマークなどがデザインされることもあります。

トップがマーク

ゴルフコンペ優勝記念チャンピオンリングの画像

マークの周りに色

 

石周り

 

一般的に、石周りには文字が凸彫りで入ります。
文字は書体を選ぶことができます。あまりに細い部分がある書体は対応できません。 文字の向きも選ぶことができます。時計回り、反時計回り、文字を正面から読めるようにするかどうか等です。

石周りの文字

またお客様のご希望で、文字ではなく唐草等の文様を入れることもできます。

石周りに唐草模様

文字の途中にワンポイントで☆マークを入れることもあります。 ダイヤやダイヤに似た合成石、誕生石などを希望されるお客様も多いです。

▶︎石のカットや形状については、以下のページがたいへん参考になります。

 

サイド部分

 

文字やマーク、石などを自由に配置することができます。 デザインのコツは、できるだけ余白を無くすこと。 文字やマークを凹彫りにするか凸彫りにするかでも印象が大きく変わります。 技術的に無理な組み合わせもありますので、お客様のご要望を聞きながら3Dでデザインを作りこんでいきます。

 

ベゼル部分

 

ベゼルはシンプルに仕上げることが多いです。 派手さを求めるなら、ブロックに分けたタイプや縄目タイプ、ブロックに石を入れたタイプもあります。

ノーマルタイプ

ブロックタイプ

縄目タイプ

 

エッジ部分

 

エッジ部分は高さを出すほどワイルドな仕上がりになります。
溝タイプがエレガントで人気がありますが、溝がないタイプや角タイプの方がフラットな面が広くなり、金属の光沢が強くなります。

エッジ無しタイプ

エッジ溝タイプ

エッジ角タイプ

 

文化・伝統としてのカレッジリング

 

カレッジリングは米国で定番の卒業記念アイテムとなり、そこから文化として定着し今では伝統と呼べるほどに深みが増しています。

詳しくはこちらの文章を御参考ください。
「カレッジリング文化」の発展(込められた意味と伝統)

1835年にウエストポイントで始まったカレッジリングがまたたく間に全国に広まり、卒業の記念としてカレッジリングを作る事が「文化」と呼べるほどまでに成熟していったようです。

広まっていく中でカレッジリングには様々な「意味」が込められ、現在まで誕生から180年余りで深い「伝統」が築かれてきました。

 

カレッジリングを作る動機(きっかけ)

 

カレッジリング(デザインとしての)は様々な動機(きっかけ)でオーダーされ、オリジナルのデザインで製作されています。
個人のニーズが優先されますので、「こうでないといけない!」というきまりは特にありません。

カレッジリングをオーダーする動機(モチベーション)について、以下の文章をご参考ください。弊社ブリコラージュの過去の作品も目的別に分類されています。

◆ファッションとして
ファッションアイテムとして指輪は重要です。
カレッジリングのオーダーメイドはリング表面に文字やマーク・石などで想いを込めることが多いです。
カレッジリングの形状が好きという理由でオーダーされる方は、ファッション目的と言えるでしょうか。

◆記念の品として
カレッジリングやチャンピオンリングは、表面のデザインに年号や日付・お名前が盛り込まれる事が一般的で、何かの記念の品として作られることが多いです。

◆愛情の証として
記念の品とも重なりますが、愛する人への想いを込めて「愛情の証として」カレッジリングを作ることも、よくあるシチュエーションです。

 

まとめ

 

カレッジリングについて詳細を知ることで、作品の見え方も変わってくることと思います。オーダーする際に、得た知識が参考になることでしょう。

弊社ブリコラージュは、お客様の想いをカタチにするために丁寧な仕事を心がけています。

オーダーの際は、メールやお電話で皆様の想いを遠慮なくお伝えください。

以下のアイコンをクリックしていただければ、これまでの作品をご覧いただけます。

カレッジリング作品集

 

質問やオーダーのお問い合わせはこちらまでお願いします。

 

 

代表 TOY

貴金属アクセサリー工房ブリコラージュでは、3DCAD・CGとハンドメイドを駆使して、さまざまな商品を製作しています。業者さんやセミプロ・アマチュアの方まで、貴金属アクセ・ジュエリーの完成品からマシンメイドのワックス原型までの依頼をお受けいたします。 問い合わせメールはコチラ。 問い合わせ電話番号は、0776-61-0015(お気軽にどうぞ)